米糠の抗ガン物質


■米糠に含まれる天然の抗ガン物質・・・

2000年9月、「天然抗ガン物質IP6の驚異」のタイトルで出版された一冊の本が、ガン患者さんや医療関係者に“米糠ショック”を与えました。

この本のサブタイトルには、
「革命的効果でガンの治療が変わる」、「ガンを予防し、縮小し、しかも毒性が無い!」と続き、さらに、

「米や小麦、豆類などの、いわゆる穀物繊維の成分“イノシトール6リン酸(IP6)”は、活性酸素を抑え、DNAを守り、生体防御効果を高める。大腸ガン、肝ガン、乳ガン、肺ガンなどへの抗がガン効果、心臓・血管疾患の予防効果まで、検証・報告されている。
とあります。

まるで「夢のような話し」では有りませんか!
しかも、日本人にとって身近な“米糠”に豊富に含まれているのですから、これを利用しない手はありません。

さてこの研究者で、著者でもあるA.M.シャムスディン博士は、メリーランド大学医学部病理学教授で、25年にわたってガンの発生過程と予防、治療法を研究し、イノシトールとIP6(イノシトール6リン酸のガン予防、縮小効果、無毒性を発見したのでした。

問題のイノシトールですが、ビタミンB複合体と同じ仲間であると考えられています。
カラダの殆どの細胞内に存在し、組織も臓器も一定のイノシトールの供給が欠かせません。
なかでも最も重要なのは、この機能性物質が、ガン細胞の増殖と成長のコントロールに寄与している事実です。

イノシトールには6ヶ所のリン酸基結合部位があり、IP1・IP2・IP3・IP4・IP5・IP6の6種のリン酸化イノシトール類があります。
IP6から一つずつリン酸基が外れることでイノシトールになり、これらが協同的に働くほど、より強力なガン抑制効果を発揮する、とシャムスディン博士は述べています。

実験で分かった事は、イノシトールはガン予防と利用に関して、際立った性質を示し、さらに、リン酸化イノシトールは、赤血球内で酸素運搬能を制御する重要な働きを担っていることが判りました。

IP6の研究は、さまざまな研究者によって、厳しい査読による審査を経て、多くの研究論文が公開されています。
それらの研究論文から、IP6は抗ガン性物質のほか、生体内の酸化反応で形成される活性酸素の組織傷害作用を打ち消す、強力な抗酸化物質である事が証明されました。

 

■糠の食物繊維に、天然のガン抑制物質が潜む・・・

A.M.シャムスディン博士は、研究過程で次のような事実を解明しています。

食物繊維は、消化酵素でも腸内細菌が産生する酵素でも分解されません。
食物繊維が便の体積量を増やすとされていますが、その役割は米糠のような非水溶性食物繊維で、腸管内の水分を吸収して便の体積を著しく増加させ、箒(ほうき)のように腸管を掃除してくれます。

この食物繊維の主要成分は多糖類で、総称は炭水化物ですが、多種多様な分子を形成します。
水溶性食物繊維には、ペクチン、ゴム、粘液状コムなどがあり、腸管内で部分的に消化分解されます。
米糠などの非水溶性食物繊維であるリグニンやセルロースなどは腸管内では殆ど分解されず、まさに箒(ほうき)のように腸管を掃除してくれます。

食物繊維が大腸ガンの予防に有効との研究は、南アフリカのジョージ・オットル博士の研究が走りで、デニス・バーキット博士が1969年に医学雑誌「ランセット」に発表しました。
また彼等より早く、1968年にインドのマラウホトラ博士が、食物繊維と大腸ガンの予防効果の関連性を発表していました。

糠は、腸管内をキレイにすることで、腸の病気である憩室炎や憩室症、腸管狭窄、腸管穿孔、腸管出血などの発症を予防してくれます。さらに、食物残渣が早く排泄されることで、ガン原性物質やガン促進物質が腸管壁と接触する機会を減少させてくれる・・・と、報告されています。

食物繊維は、大変複雑な化合物で、植物によっても多糖類の化合物が異なるために、有効成分の解明には困難を極めたのでした。
お米や小麦の食事を毎日とっていると、大腸ガン・直腸ガンでの死亡率が低下するとの報告がありますが、繊維質が豊富な食事のすべてが有効なのではなく、穀物の中でも特に米と小麦から得られる食物繊維が、大腸ガン・直腸ガンの発生頻度を低下させていたのです。

その有効物質は、いったい何者なのでしょうか?

不溶性食物繊維のガン抑制効果と摂食量・・・
1993年、J・H・ワイスバーガー博士らの研究によって、IP6が大腸ガン誘発動物モデルにおいて、特に予防効果に優れていることが証明されました。

また米国のザン博士は、ニューヨーク市の大学生で、白人、ヒスパニック、黒人を対象に食事に関連した乳ガンの危険因子を疫学調査したところ、人種間で重要な違いがあることを確認しました。この調査で白人の大学生に乳がんの危険率が高かったのです。
白人の学生に比べ、ヒスパニックの学生の食事には“豆”が豊富、黒人の食事には果物と野菜が豊富だったのです。

IP6の研究者であるシャムスディン博士は、穀物の外皮である“ふすま”の食習慣によって、大腸ガンや虫垂炎などの腸疾患を予防すると同時に、乳ガンにおいてもその効果が認められるかを研究した結果、ガンが検出可能になる前の、ごく初期の段階でもガンを抑制する事を解明しました。

不溶性食物繊維のガン抑制効果を得るには、一体どの程度の“糠”を食べれば良いのか?シャムスディン博士は、研究結果から、「糠を食べれば食べるほど効果が上がるものではない」との結論を得ました
最も効果的なのは、純粋なIP6を0.4%添加した飲料水を用いたケースでした。

しかし後に、日本人研究者が「米糠」の有用性を発見するのでした。

 

■純粋のIP6を混ぜると、効果はさらにアップする・・・
食物繊維や糠に含まれるIP6ですが、これら穀物の中でのIP6はタンパク質と結合しているため、純粋のIP6の働きに比べ効果が劣るようです。
IP6が腸管から吸収されて血流に乗り、カラダのさまざまな組織や器官に届き、病気やガンの病巣に、あるいは将来病変が起こるかも知れない場所に運ばれていくためには、IP6は先ずタンパク質の結合から開放される必要があり、単独のIP6になる必要があります。

しかしフィチン酸分解酵素が食べ物や腸管内に存在しているのですが、IP6を分解し始め、リン酸基を次々と外す為に、IP6のガン抑制効果が低下する事になります。

食物繊維を摂食し、糠に含まれるIP6を有意義に生かすには、フィチン酸分解酵素の働きを緩やかにする必要があります。
あるいはペプチドの状態で、IP6の有効性を発揮させる支援部隊が必要になります。

米糠をどの様に細工すれば、含有するIP6の効果を向上させることが出来るのでしょうか?純粋のIP6を用いないでも、有効な結果が得られる工夫こそが重要な課題となります。

 

■IP6は、ガン発生初期から抑制効果を発揮した・・・
シャムスディン博士は、大腸ガンの発ガン物質をラットとマウスに与え、IP6の2%希釈液を順次与えて、その経過を観察しました。その結果、ガンの有病率はIP6の投与量の増加と共に減少したのでした。

この実験で分かった事は、IP6が異なった動物種(ラットとマウス)でも、大腸ガンを抑制する事。イノシトールもガン抑制に働くが、単体ではIP6には及ばない。
組み合わせて連合軍にする事で、それぞれ単体で用いるよりガン抑制効果が高まる。連合軍はNK細胞活性を刺激して、抵抗性・免疫性を増強させる。

その後シャムスディン博士は、ヒトの培養系ガン細胞にIP-6を作用させたところ、IP6は、ヒト赤芽球白血病細胞に対してガン抑制有効があることが分かりました。この研究の結果、IP6が細胞内でIP5やIP4、IP3などの低数のイノシトール・リン酸に変換され、細胞内のカルシウム・レベルに影響し、細胞分裂の速度に影響を与えている事が分かりました。

1992年10月、米国ガン学会の第3回年次総会でプレトロー博士のグループは、IP6に関する貴重な研究成果を発表しました。
「IP6は、単に大腸ガンの有効な抑制物質であるばかりでなく、セレニウムなどの有望なガン予防化学物質とくらべても、より強いガン抑制効果を示した。」とのことでした。


■大川博士による、“米糠”の研究成果が先んじていた!

IP6の薬理的効果は、大腸ガンに限らず、肺ガン、乳ガン、肝ガンに止まらず、肺繊維症や尿路系結石などに有効であり、腎結石をIP6で治療する研究結果の報告が、1998年6月「第1回国際シンポジウム/IP6と米の構成成分による疾病の予防」の国際会議が京都において行われました。

ここで注目するのは、1984年、既に大川博士は、「米糠には、高濃度にIP6などのイノシトール・リン酸化合物が含まれており、米糠もまた高カルシウム尿症と腎結石の治療に有効である」との研究成果を発表していたのです。
つまり食品としての“米糠”を用いることで、IP6の有効性を得ることができ、腎結石の予防や治療に有効である・・・とするものなのです。

米糠などの繊維を多く含む食品を食べると、心臓の冠状動脈疾患や動脈硬化のリスクが減少します。
血小板の過剰な凝集作用を抑制し、血液をサラサラな血質にする働きが、イノシトール・リン酸化合物やIP6にあるのです。これによって心筋梗塞、血栓症、塞栓症などのリスクを低下できます。

米糠に含まれるイノシトールは、動脈の石灰化プラークを取り除く作用があることが動物実験で明らかになっており、このような米糠に含まれるイノシトール・リン酸化合物の性質は高脂血症や糖尿病に有益に働いてくれる者なのです。

日頃より“米糠”を含む健康食品を取り入れることで、血管系疾患や血質系の病気を予防できるわけです。

 

■IP6(フィチン酸)と“米糠”の安全性を確認!
シャムスディン博士らによる、IP6の安全性テストでは、IP6は非常に完全な栄養素で、摂取においても何らの副作用も起こりませんでした。体重、血清中微量鉱物元素などに悪い影響を及ぼす事もなければ、また病的な生体変化を引き起こすことも無かったのです。

IP6であるフィチン酸は、ミネラルが食物から吸収されるのを妨げる可能性があるとの説がありましたが、この説が間違いである事も突き止めました。
1990年、グラーフ博士とイートン博士は、微量ミネラルと結合したIP6は容易に解離し、残ったミネラルを自由な状態にし、よりカラダに吸収しやすくなるとの研究結果を得ました。

純粋なIP6は、高カルシウム尿症で腎結石、尿管結石の発生頻度を低下させ、さらに2年以上にわたる長期の服用においても、なんらの副作用を確認出来ませんでした。
この研究は、ハーバード大学医学部とマサチューセッツ総合病院で行われました。

日本でも“米糠”を用いた研究で、IP6の安全性を確認した事例があります。
1984年大川博士らは、高カルシウム尿症患者にIP6が高濃度に含有する“米糠”を、連日10g・2年間投与し続けました。

旧来の仮説どおりであれば、“米糠”にはIP6(フィチン酸)が高濃度に含まれるため、カルシウムやマグネシウムなどをキレート(挟んで切り離す)するはずが、血清中のカルシウム、リン酸化合物、マグネシウムの濃度に低下は見られませんでした。
生体に悪影響を及ぼすような作用は、一切起きなかったのです。


■乳ガンに打ち克つIP6とイノシトールの併用
乳ガンを発生させる化学物質DMBAをラットに投与すると、間違いなく乳ガンを患います。
シャムスディン博士らの研究によれば、この物質を与える2週間前にIP6やイノシトール+IP6を混合した液、イノシトールのみを同じ条件下で水として与えると、45週間後には全てのグループで乳ガン抑制効果を確認できました。
中でもイノシトールとIP6の混合液では発ガン率は0.0%でした。

またシャムスディン博士らは、乳ガン以外の各種のガンで、イノシトールとIP6の混合使用の効果を確認しています。大腸ガン・繊維肉腫・原発性肝臓ガン・肺ガン・横紋筋肉腫・皮膚ガンなどにガン抑制効果があることを突き止めました。

ガン抑制遺伝子として有名な“P53遺伝子”は、遺伝子が傷つき、この傷が遺伝するのを阻止し、異常な細胞の増殖を止めています。このP53のようなガン抑制遺伝子に突然変異が起こると、ガンの発生が引き起こされます。
シャムスディン博士らは、IP6がP53遺伝子の発現を最大7倍まで増幅するとの研究結果を得ました。
この発見は、ガンの化学療法においても補助療法剤として活用できる事を意味しています。

■IP6を含む“米糠”を活かす技術
シャムスディン博士らの研究では、純粋のIP6を取り出してイノシトールと混合すると、強力な“天然の抗ガン物質”の働きが得られる、と言うものでした。

しかし日常の食生活の中での“米糠”を使って、それなりの効果が得られないものでしょうか?
純粋のIP6の効果とまでは行かなくても、天然の米糠を用いることで、少なくとも健康に有益な働きを得たいものです。

玄米を食べれば、結果的に米糠を食べた事になりますが、量としてはごく少量であり、玄米の食べすぎもカロリー過多を招きます。

そこで“発酵米ぬかサプリ”が採用した方法は、“醗酵技術と発酵食品”を取り入れることでした。

   ・ 醗酵させ、低温乾燥した米糠を用いる。
   ・ 米糠を発酵食品と合体させる。
   ・ 米糠を植物醗酵酵素液と合体させる

この技術により、米糠に含まれる有効な機能性物質が、分解、合成、吸収しやすくなります。醗酵を促す微生物の働きで、タンパク質などに包まれた高分子が分解され、カラダに吸収しやすいペプチドやアミノ酸への移行を円滑にしてくれます。

米糠が発酵食品と合体し、米糠自体を醗酵させることで“米糠”の性質も変化し、ビタミン量も、ビタミンのように働く機能性物質も、栄養素として強化・増量されるのです。
またビタミン類のほか、必須アミノ酸やブドウ糖の豊富な食材に変化します。

米糠を発酵食品とすることで、不溶性の食物繊維が腸管を掃除してくれるだけでなく、善玉菌を増やし、日和見菌を味方につけ、腸内環境を整えて体内に溜まった老廃物を排出してくれます。
カラダから老廃物が排出されると、血液はサラサラの血質を取り戻し、抗酸化作用や整腸作用が働くことで免疫力が高められます。
この結果、ガンの予防や動脈硬化や脳梗塞などの生活習慣病の予防に役立ってくれるのです。

 


「天然抗ガン物質IP6の脅威」
M・シャムスディン著/ブルーバックスより