酵素と短鎖脂肪酸と水の関係


■醗酵と酵素と短鎖脂肪酸の関係・・・

血管内で赤血球が重なった状態の写真をよく見かけますが、重なることで毛細血管を通過することが出来ず、酸素や栄養素を運べなくなるのです。

この状態を解決するのが「酵素」なのです。

その酵素は野菜や豆類などの食物酵素から得られますが、その酵素は腸内細菌が作り出す有機酸であったり、糖質が醗酵して作り出す有機酸に見られます。

腸内細菌と発酵、食物繊維の複合的な研究によって見えてきたのは、牛や馬が醗酵を繰り返すことで草からアミノ酸を吸収し、頑強な筋肉を作り出している事実です。

醗酵によって有機酸なる「短鎖脂肪酸」が作られ、大腸でこれらの短鎖脂肪酸が吸収されます。
短鎖脂肪酸を多く食することが出来る食事として「和食」がお奨めの理由は、「生の食材」と「醗酵食品」が用いられているからです。

短鎖脂肪酸の研究は1940年ごろから始まっていますが、具体的に解明されたのは21世紀に入ってからで、その間タンパク質の結晶と誤解されていました。

ヒトの腸内でも、水溶性の食物繊維を中心に、不溶性の食物繊維が加わることで、これらが短鎖脂肪酸の産出材料になりますし、各種の醗酵食品も短鎖脂肪酸の材料になるのです。

日本酒を製造する工程で「酒粕」が生じますが、この酒粕の中にも糖質の醗酵によって生じる有機酸が豊富なのです。
(酒粕のこと:)当ホームページで提案する「醗酵米ぬかサプリ」は短鎖脂肪酸の働きも活用していることになるのです。

酵素栄養学の研究分野で第一人者である深見隆史医師は、酵素食や酵素サプリで免疫力をアップさせる治療法を確立されていますが、ガン治療においても効果を上げておられます。

氏曰く、短鎖脂肪酸の発見と役割の解明は、ポリフェノールなどのファイトケミカルの発見に匹敵する価値があると絶大なる評価を下しています。

その短鎖脂肪酸の役割ですが、炭素分子のつながりが6個以下と短いことで分解されやすく、体脂肪としての蓄積はありません。エネルギーとしてすぐに活用されやすいのです。

現在判っている短鎖脂肪酸の主な物質は、酢酸、プロピオン酸、酪酸などです。

酢酸は主に脂肪合成に働き、エネルギー源・血清コレステロールの上昇・抗菌活性・生合成素材・酸素の摂取機能の向上・結腸の血液促進・カルシウムの吸収の促進に働きます。

プロピオン酸は主に肝臓での糖の新生の材料に用いられ、さらに抗菌活性・血清コレステロールの低下・カルシウムの吸収促進に働いています。

酪酸は大腸の主要な栄養素で、抗菌活性・大腸粘膜のエネルギー源・抗ガン性・ガン遺伝子の抑制・細胞分化・正常細胞の増殖促進・アポトーシスの促進・ヘモグロビンの合成促進などの働きが有ります。

短鎖脂肪酸の95%は大腸粘膜から吸収されるので、常にお腹を整えておく必要があるのです・・・。
さらに全消化器官と臓器の粘膜である上皮細胞の形成と増殖の役割を果たし、腸管免疫の担い手の世役をも果たしているのです。
よく知られている胃液も胆汁も、膵液、腸液もすべてが短鎖脂肪酸によって作られているのです。

短鎖脂肪酸は、60兆の各細胞内に200個以上存在するミトコンドリアに働き、エネルギーの活性化に寄与し、腸のpHを下げて調整し、ガン細胞の自死(アポトーシス)に深く関わっているのだそうです。

今後さらに研究が進めば、短鎖脂肪酸の人体に対するホメオスタシス(生体の恒常性:自然治癒力)への深い関わりが解明されるものと思われます。


■酵素と水・・・

体内でのあらゆる化学反応を触媒する酵素ですが、酵素反応は水の中で進行します。

酵素を覆っているタンパク質の外側には水分子が幾重にも覆い囲んでいます。
一個のタンパク質に7万個の水分子が幾層にも覆っているのです。つまり酵素は水の持つ性質によって働きが左右される可能性があるのです。

酵素のサイズは10ナノ前後です、水分子は0.24ナノサイズで、酵素の周りを何重にも囲んでいます。
又酵素の活動は活発で100万分の1秒ごとに衝突を繰り返しています。

さらに周囲の水は1兆分の1秒毎に離合集散(ブラウン運動)を繰り返し、酵素の化学反応に少なからず影響を与えているのです。
タンパク質1分子に水分子が7万個も取り巻いているのですから、タンパク質の殻に似た酵素にも水の影響は計り知れません。
詳しくは(水の養生法をご覧ください。)


酵素のうち「複合酵素」は、ビタミンやミネラルの働きが有って活性化するのですが、主役はあくまでも「酵素」なのです。
酸化還元の反応を触媒する酵素の活性化には高分子の酵素タンパク質以外に、低分子の有機化合物が存在します。これが補酵素(コエンザイム)と呼ばれるもので、コエンザイムQ10などが有名です。

コエンザイムが活躍できるのはビタミンが構成要素になっているからです。また微量ミネラル群も金属酵素としての補助因子で、体内で重要な役割を果たしています。酵素の働きを応援する微量金属群ですが、主役はやはり酵素なのだそうです。

酵素は極微量でも多数の物質に働き、その反応は水中で活性化しますから、水との相性は大変重要なのです。殆どの酵素はpH7.4程度の中性で活発に働きます。

豆科植物に含まれる酵素ですが、大豆や小豆など豆類や種には種の保存と言うべきチカラが働いています。種の防御システムと言うべきもので「酵素阻害物質」が働きます。
特に種や胚芽を含む豆を食材として扱う場合には、古くからの言い伝えの通り最低でも半日以上は水に漬けておくべきなのです。

アブシジン酸やトリプシンインヒビターなどが「酵素阻害物質」で、生の種を食べるとこれらの物質が消化を邪魔するのです。
このため体内の消化酵素が大量に使われる結果となり、体内酵素のうち代謝酵素が減少することになります

この解決方法が、最低でも半日は水に漬ける、焙煎する、醗酵させるなどの調理法を加える必要があります。この意味でも発芽玄米の普及は玄米食を進化させたものと言えます。