米糠の脅威の働き


■米糠に含まれる機能性物質の驚異の働きとは・・・

●“イノシトール”は肝機能を強化してくれます。

米糠に含まれる有効成分(機能性物質)は、まことに不思議なチカラを有しています。

米の胚芽と玄米の表皮には、植物生理活性物質が凝縮されていますし、これらは何よりも日本人のDNAに連綿として受け継がれた基本的な栄養素ですから、日本人特有の生理活性に有効に働いている筈です。

例えば、“トコロテン”のような寒天を用いた食品には、栄養成分が無いとされていましたが、近年分かった事ですが、寒天食品から、日本人は栄養素を吸収出る体質を持っているとのことです。
しかし欧米人は、この種の体内酵素を持ち合わせていないのです。

日本人のDNAには、主食となった“米”の持つ情報が、日本人ならではのDNAに、色濃く反映されているのです。


米糠には、“イノシトール”と呼ばれる機能性物質が含まれています。
イノシトールは、1850年、ドイツのSchererが、牛の心筋抽出液より初めて単離した糖アルコールの一種で、「イノシット」と呼ばれることもあります。
植物中では遊離型のイノシトール、又はそのリン酸エステル体(フィチン酸)として存在しています。

イノシトール(Inositol)はリン脂質成分の水溶性成分で、ビタミンB群の仲間とされていますが、ビタミンとして正式には認められてはいません。
しかしイノシトールの働きはビタミンに近いので、「抗脂肪肝ビタミン」とも呼ばれています。

イノシトールは、細胞成長促進に不可欠なビタミンB群の一種として知られ、脂肪肝・肝硬変等の予防・治療薬として用いられています。
脂肪の流れを良くして肝臓に脂肪がたまるのを抑え、燃焼をうながして脂肪とコレステロールの代謝に作用します。
 
細胞膜を構成するリン脂質の重要な成分で、神経の細胞膜に多く含まれ、脳神経や脳細胞に栄養を供給する役割を担っています。
これにより脳の神経を正常に保つ重要な働きをしていることから、アルツハイマー型認知症に対してや、糖尿病で損傷を受けた人の神経に刺激を送る効果があると言われています。


1995年マイケル・レッサー博士は、イノシトールは精神安定剤に類似した、穏かな抗不安作用があり、しかも副作用が無いと述べています。
またセロトニン異常に起因する、うつ病やパニック障害、強迫性障害に有効とされる研究結果もあります。

さらにイノシトールは、動脈壁や肝臓に脂肪がたまるのを防ぐ働きがあります。
植物中のイノシトールは、またフィチン酸として存在し、脂肪肝・肝硬変・動脈硬化予防・カルシウムの吸収促進に役立っています。
フィチン酸と呼ばれる“イノシトール6リン酸”は、ガン細胞の発生と増殖をコントロールする”天然の抗ガン物質”として働くことが解明されています。


以上のように有益な働きのある“米糠”ですが、日々の健康管理に用いれば、将に医者要らずの“健康養生法”を手に入れることになります。

“醗酵米ぬかサプリ”には、米糠を酒粕と一体化させることで、カラダに深く働き、さまざまな機能性物質の特性を引き出してくれる、工夫が為されているのです。


■“米糠”は、γ―オリザノールが生かされる・・・
米糠には、ガンや生活習慣病の予防に有益な“IP6”や“イノシトール”などの植物生理活性物質のほか、見逃せないファイトケミカルの一種に“γ-オリザノール”があります。

γ-オリザノール(ガンマ-オリザノール)とは、米糠の油脂に含まれる、微量に抽出される天然物質で、コレステロールの吸収を抑える作用、フェルリック酸を補給し、更年期に伴う諸症状、卵巣機能障害の治療に役立っています。

副交感神経の活動を高め、視床下部から放出されたエンドルフィンの働き(血管の調子を整え、ホルモンの放出を促すこと)を促進し、特に、ほてりや不安に効果を発揮するとされています。

γ-オリザノールは加熱安定性がよい抗酸化物質で、他の食用油には含まれないのですが、米油の中に0.2~0.5%含まれます。

紫外線を吸収し、皮膚の血行を促進し皮脂の酸化を防止し、皮膚の毛細血管の血行促進作用とともに、皮脂の分泌を促します。

さらに老化した角質を取り除く一方、皮膚の表面を膜で保護するとともに、生理機能を高め、新陳代謝を盛んにします。メラニン色素の生成を抑え、美白効果を持つといわれています。

γ-オリザノールは、自律神経とホルモンの中枢である間脳に作用し、自律神経失調症の緩和、自律神経のバランスを改善します。また、消化管からのコレステロールの吸収を抑制する事により、血清総コレステロールを低下させる事が確認されています。

また、米油は特有の成分、トコトリエノールを多く含んでいます。
この成分は、ストレスなどによって発生する活性酸素の害から体を守ると言われており、近年、高コレステロール血漿や動脈硬化、ガンなどに対する治療効果も報告されるようになり、米国を中心に注目を集めています。


■日本人研究者が発見!オリザブラン(米糠の水溶性多糖類
米糠の主成分はオリザノールと呼ばれ、以前これらは糠油、ビタミンE、脂肪酸、アルコールなどの水に溶けない非水溶性油成分と考えられていました。

しかし古来より日本人が用いてきた“ヌカ袋”の活用法から、糠に含まれる水溶性成分が美容作用を促しているのではないか・・・と考えた日本人がいました。

1987年、林輝明氏と東北大学薬学部の奥野教授らは、米糠には約1.8%の水可溶性の米糠多糖類が含まれていることを発見しました。これをオリザブラン(米糠多糖類)と呼び、4種類のタイプを分離しました。

これらオリザブラン(米糠多糖類)の植物生理活性の働きは、血糖降下作用、糖尿病の改善、尿素を上回る皮膚への保水作用、荒れ肌改善作用、創傷治癒作用があることが解明されました。


■米糠の“フェルラ酸”の働きも見逃せない・・・
米糠に含まれるIP6やイノシトール、オリザノール、ギャバなどの特殊なファイトケミカルは、ガンの予防や血管の弾力性の維持に役立ち、コレステロールの除去や血圧の上昇抑制に役立っています。

さらに米糠に含まれる“フェルラ酸” (ferulic acid) は、植物の細胞壁などに存在するフィトケミカルで、他の栄養素と合体して働く有機化合物です。

フェルラ酸は、他のフェノール類のように抗酸化作用を持ち、活性酸素種などのラジカルと反応し、活性酸素の除去・強抗酸化性・メラニン色素の生成抑制するなどの働きがあります。

活性酸素種とラジカルはDNAの損傷や癌の原因となり、細胞の老化を促します。
動物実験やin vitroでの実験では、フェルラ酸は乳癌や肝臓癌に対して抗腫瘍活性を示したとの研究報告があります。

またフェルラ酸は、ガン細胞にアポトーシスを起こさせる働きを持つことも指摘されており、さらにベンツピレンなどの化学物質による発癌を予防する効果も予測されています。

米油から得られるフェルラ酸が、アルツハイマー型認知症に有効との論文もあり、その代表的なものは中村重信・広島大名誉教授らによるアルツハイマー病通院患者143人とその家族の協力を得て、9ヶ月間に亘って投与した臨床結果によるものです。

試験前と試験開始から3ヶ月毎に、認知機能検査を行ったところ、その結果はアルツハイマー病患者の認知機能が、通常時間の経過とともに低下し続けるのに対し、軽度の患者の場合、試験終了時まで改善が続き、中度の患者も6ヵ月後まで改善状態が続いたのです。
詳細は老年医学(Geriatric Medicine Vol.46 No.12 2008-12)に発表されています。

以上のように、“米糠健康法”は、予防医学としてお奨めできる安心安全の養生法です。
米糠は生の米糠の状態では消化が出来ず、また下痢の原因にもなりますから、必ずフライパンで狐色になるまで、弱火で“炒る”ことが必要です。


■米糠は、γ-アミノ酪酸(ギャバ)が活躍する・・・
玄米の表皮から得られる“米糠”には、生理活性物質(ファイトケミカル)であるγ-アミノ酪酸(ギャバ)が多く含まれています。このギャバは、脳内の主要な抑制性神経伝達物質として存在しています。

脳に多く見られるギャバですが、中枢神経の抑制物質として働くほか、生理代謝作用に働くなど、生体内の代謝系に関する大変重要な役割を果たしていることが解明されました。

ギャバは、グルタミン酸が脱炭酸する酵素反応によって生成されるアミノ酸の一種で、植物に存在することが知られています。
特に玄米に多く含まれていますが、発芽する事でさらに増加する事が知られています。

漢方薬の世界では、ギャバを含むものとして、シュロや黄ぎ(おうぎ)があり、高血圧症状の改善薬として用いられています。
ギャバは、脳への酸素供給量を増加させ、抗痙攣作用・抗不安作用・脳の代謝機能亢進などに働く、神経伝達物質として重宝されています。

また近年うつ病などの精神疾患が増えていますが、動揺や興奮を抑える物質の一つとして“ギャバ”が注目を浴びています。
セロトニンやアセチルコリン、ドーパミンなどの神経伝達物質の総体的なバランスを整えるためにも“ギャバ”が大切な働きをしているのです。


静岡県立大学食品栄養科学部の研究では、ギャバの摂取によって、朝のラッシュ時のストレスが半減する効果を、20代~30代の22人を対象に実験により、ストレスが半減する結果を得ました。
このほか第61回日日本栄養・食糧学会大会で、富山大学和漢医薬学総合研究所の横澤隆子博士が腎摘出ラットによるギャバの腎不全進行抑制作用、腎繊維化の抑制作用と作用機序について報告しています。

“ギャバ”は、刺激に応じて放出され、神経伝達作用だけでなく、血圧上昇の抑制効果や精神安定作用、血中コレステロール低下作用、腎臓や肝臓の機能の活性作用、発ガン抑制作用、アルコール代謝促進作用、消臭効果作用、肥満防止作用のほか、
免疫系の作用として、アレルギー予防やアトピー性皮膚炎の改善効果などに有効との研究報告があります。


■米糠アラビノキシランは、免疫細胞を活性化する・・・
アラビノキシランは、多糖のアラビナンとキシロースからなるヘミセルロース(半繊維素)で、米糠や小麦ふすまなどに含まれています。
近年米糠に含まれるアラビノキシランを分離抽出して、酵素反応によって得られる誘導体が作られており、免疫賦活物質として研究されています。

米糠アラビノキシラン誘導体は、日本の製薬会社とアメリカの免疫学者であるゴーナム博士らと共同開発したもので、米糠のアラビノキシランにシイタケ菌の培養濾液中に含まれる炭水化物培養分解複合酵素を反応させ、アラビノキシランの免疫賦活性を一層高めることに成功しました。

この技術の確立は1995年のことで、以来ガン患者への経口投与などを通じて、多くの臨床実験が為されています。
その結果、免疫細胞であるNK細胞やリンパ球のT細胞、B細胞の活性に顕著な効果があることを確認されました。

さらにゴーナム博士は、1996年7月の「第11回国際エイズ会議」で、米糠アラビノキシラン誘導体がエイズ感染症に有効であり、その基礎実験結果が報告されました。
日本国内の大学、医療機関でも、糖尿病や慢性肝炎に対する効果実験が行われています。

 

 

「天然抗ガン物質IP6の脅威」
M・シャムスディン著/ブルーバックスより
2008・改訂新版「健康・栄養食品辞典」より