活性酸素と糖尿病


■活性酸素と糖尿病の関係・・・

糖尿病の2型では、膵臓のランゲルハンス島のβ-細胞がダメージを受けて、インスリンの分泌が少なくなり発病するようです。
このβー細胞にダメージを与えているのが活性酸素で、糖尿病のほか200を超える様々な病気の元凶との研究報告が多く存在します。

病気の元凶となる活性酸素ですが、不思議なことに、ヒトの体では膵臓から活性酸素を除去するSOD(スーパーオキシドデスムターゼ)なる酵素が作り出されるのです。

SOD以外にも活性酸素を除去する酵素のカタラーゼなどは、体内で抗酸化が機能する酵素として整えられています。
これらの酵素は、健康を維持するホメオスタシス(恒常性)が、効率良く働く天然の機能として整えられているのです。しかし糖尿病の高血糖状態では、活性酸素が体内で多く産出され、かつ活性酸素の消去酵素が不活性の状態に導かれるため、ますます酸化ストレスが高まります。

糖尿病患者の血液中の過酸化脂質が異常に高いのは、活性酸素による酸化作用に起因しています。糖代謝の悪化による糖尿病疾患からは、あらゆる合併症が惹き起こされ、200以上もの病気の元凶なのです。
糖尿病がもたらす合併症の原因は、活性酸素の過剰な働きによるものと考えられていますが、血管や血液に関係する合併症が多いのが特徴です。


血液と血管によって酸素が全身に運ばれるのですが、赤血球のヘモグロビンによって微細な毛細血管を通して体内の隅々まで酸素が運ばれます。微小循環が阻害されると酸素と栄養素が運ばれず、細胞が死滅する可能性があります。これが壊疽と呼ばれる状態ですが、最悪の場合は死に至ります。

糖尿病性網膜症や白内障などは良く知られた合併症ですが、腎臓障害や腎症による高血圧、動脈硬化による脳梗塞や心筋梗塞、狭心症などの発症につながります

糖尿病は認知症を促すことも知られ、脳神経細胞にダメージを与えて様々な脳障害を誘発します。
病気の多くは活性酸素と深い関係にあるようです。その予防と解決方法は日頃の食養生と運動養生、水養生の工夫によって克服することが可能なのです。


■活性酸素と病気の数々・・・
「活性酸素・フリーラジカルと病気」を記した書籍には、活性酸素が惹き起こす主な疾病の一覧が掲載されています。また嵯峨井勝博士は、「90%以上の病気は活性酸素によって起こる」と述べられています。
活性酸素が惹き起こす病気のジャンルは、「健康日本21」や他の書籍から列挙すると以下のような範囲に及びます。

  • 1.老化
  • 2.脳神経系(パーキンソン病、アルツハイマー型痴呆、筋萎縮性側索硬化症、外傷性てんかん、脳梗塞、脳出血、)
  • 3.眼疾患(糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、白内障など)
  • 4.呼吸器(肺炎、感染症、肺気腫、喘息、インフルエンザ、気管支喘息、喫煙による気道傷害、成人呼吸器窮迫症候群)
  • 5.循環器(動脈硬化、虚血性不整脈、心筋梗塞、高血圧)
  • 6.消化器(急性胃粘膜障害、胃潰瘍、虚血小腸炎、虚血性大腸炎、潰瘍性大腸炎、肝炎、肝硬変、肝ガン、黄疸、慢性膵炎、すい臓ガン、脂肪肝)
  • 7.泌尿器(腎炎、腎不全、尿毒症))
  • 8.血液系(白血球系=白血病、敗血病  赤血球系=夜間発作性血色素尿症、薬物性貧血  他の血液成分=高脂血症、血小板異常症)
  • 9.内分泌(糖尿病、副腎代謝異常、ストレス反応)
  • 10.皮膚(しわ、しみ、やけど、日光皮膚炎、アトピー性皮膚炎、皮膚潰瘍)
  • 11.免疫系(リウマチ性疾患、自己免疫疾患、関節リウマチ、膠原病、全身性エリテマトーデスなど)
  • 12.眼科(網膜変性症、白内障、角膜潰瘍、未熟児網膜症、緑内障)
  • 13.発ガン(各種のガン、腫瘍、悪性新生物、骨芽種)
  • 14.医原性疾患(薬物傷害、制がん剤の副作用)
  • 15.エイズ(後天性免疫不全症候群)
  • 16.環境汚染性疾患(重金属傷害、喘息、排気ガス性肺障害、水汚染による中毒)
  •  

様々な病気に影響を与えている活性酸素ですが、過剰な活性酸素には食養生・運動養生・水養生を駆使して日々を過ごす必要があるのですね。

■参考図書
・活性酸素の話 永田親義著/講談社
・活性酸素・フリーラジカルのすべて 吉川敏一著/丸善
・酸化ストレスから身体をまもる 嵯峨井勝著/岩波書店
水と活性酸素 生命・フリーラジカル・環境研究会著/オーム社