腸は最大の免疫器官


<腸は最大の免疫器官です>
■免疫防御システムの主役は白血球・・・

免疫の仕組みは、医学的な見地からの説明は非常に複雑で、専門的な知識が欠かせません。
そこで学術的な説明は専門書にお任せするとして、ここでは健康養生にお役立ていただけるような情報をお届けいたします。

結論からですが、何はともあれ「先ずはお腹を整えよ、備えよ出すチカラ・・・」に帰結します。

以前にもご説明したように、免疫には自然免疫と獲得免疫があります。
近年では自然免疫の重要性が再認識される傾向に有ります。

カラダの免疫機構では、白血球とリンパ球がよく取り上げられますが、白血球は免疫細胞の総称です。
リンパ球には、T細胞やB細胞、NK細胞が免疫細胞として活躍しています。
全身のリンパ球の70%は小腸に集中し、大腸には10%程度存在します。さらにガンに特異的に働いてくれる腫瘍免疫が、カラダ全体の80%が小腸にあるのです。

これが腸管免疫と呼ばれるもので、免疫の最適化現象に導かれる条件なのです。

白血球の血球系では、単球(マクロファージ、樹状細胞)や顆粒球(好酸球、好中球、好塩基球)が免疫細胞として、それぞれの役割を果たしています。

これらの免疫防御細胞が上手く働いてくれるために、欠かせないのが腸内細菌であり、腸内細菌の働きが円滑であるためには、毎日の食生活が決め手となるのです。


この腸内細菌の重要性を認識した人たちが、発酵食品や食物繊維によって“食養生”を充実させているのです。
材料選びから調理の方法などを考案し、健康回復と日々の健康維持に生かしているのです。


■免疫細胞はコントロールされる・・・

免疫力で細菌やウィルスと戦ってくれる白血球ですが、ガンからも守ってくれています。
また遺伝子の変性をからも守ってくれているのです。

カラダの免疫防御システムは複合的で、カラダを作っている様々な機構を生かしながら構成されています。
神経もその一つですが、中でも本人が無意識のうちにシッカリ働いてくれている“自律神経”は、カラダのの健康状態を知る上で、とても重要な働きをしています。

何しろこの自律神経が、心臓も呼吸も消化も排便も支配し、コントロールしているのですから・・・

ご承知のように自律神経は昼間に活躍する“交感神経”と、夜間に働く“副交感神経”とが有ります。
カラダを活動的にし、覚醒すべき時間帯には交感神経が優位となり、白血球の中の顆粒球が増えます。
夜間は緊張を解きほぐし、リラックスした状態にあって、白血球中のリンパ球が増えるのです。


健康を維持するには、顆粒球もリンパ球も共にバランスの良い状態にあって、その数量が安定的に保たれている必要があります。
白血球による免疫防御システムを正常に保つためには、自律神経がバランスよく働く状態にあることが必要です。
その為には起床と就寝の時間をルーチン化することです。
体内時計が日々の習慣を記憶し、自律神経のスイッチが正しくオンオフされる習慣が身につくことになります。

カラダに良い生活習慣が整うことで、自律神経は円滑に交感神経、副交感神経へとオンオフされることで、腸管内は免疫物質を作る環境が整います。
腸内環境が整うことで、白血球中の顆粒球やリンパ球もバランスよく産出される条件が整うのです。


■免疫の主役は白血球とリンパ球・・・
脳神経を賦活する神経伝達物質であるアセチルコリンやセロトニンは“幸せ物質”だと藤田紘一郎博士は述べておられます。
この幸せ物質の前駆物質は、殆どが腸で作られるのですが、心身を穏やかにする状態が続くとリンパ球が増え、免疫力が向上するのです。

消化器官専門の外科医で、食養生に造詣の深い済陽高穂(わたよう たかほ)博士は、血液中の白血球とリンパ球の量によってガンの治療法が異なるとの、示唆に富む発言をされています。
臨床結果から得られたデーターを基に、博士なり分析された結果、白血球数とリンパ球数に示される免疫力指数が、ガン食事療法に生かすこと出来るとの結論を導かれたのです。


血液中の白血球適正基準量は、4千~9.5千/ul程度とされています。
その内リンパ球は、健常者で35~41%(1400~4000/ul)ですが、その割合が20%~30%になると病気に掛かりやすくなります。
さらにリンパ球が20%~10%では大病に、10%を切ると生命の危機となるとのことです。


■ガン治療に生かされる白血球数・・・
前述の済陽高穂(わたよう たかほ)博士が抗がん治療をされる場合、免疫力の低下を一番に懸念されています。
白血球数は3000~4000個を目安とし、リンパ球数は1000個以上を目安としてガン治療に当たられています

両方がこれ以下の患者さんでは、免疫力が低下して、抗がん剤治療が正常な細胞へのダメージが大きくなるからです。
当然クスリの副作用が激しくなります。


さらに済陽高穂(わたよう たかほ)博士の食事療法の実践でも、リンパ球数を参考にされています。
リンパ球数が700~1300個の範囲内ですと、食事療法が有効に働くようですが、700以下だと免疫力があまりにも低下して、野菜・果物ジュースなどの食事療法が功を奏しない場合が多いとのことです。


この説は非常に参考になりますね。
また養生をアドバイスする側にとっても、罹患者にとっても、この方法論は非常に重要な食養生の判断基準となります。


■腸は最大の免疫器官なのです・・・

白血球やリンパ球が、生体の免疫防御機構に欠かせない、正に“主役”であることが判りました。
小腸の回腸から大腸に至る免疫システムでは、なんと全身のリンパ球の80%がここに存在します。
またリンパ球が作る抗体も60%が腸管で作られているのです。

腸管免疫が重要視される昨今ですが、免疫の最適化現象はこの腸管免疫に有り・・・、お腹こそは最も重要な免疫器官なのです。

発酵米ぬかサプリが、健康養生で“まずお腹を整えよ・・・”とアドバイスするのは、腸が最大の免疫器官だからです。
この腸を応援するのが酵素や腸内細菌であり、食養生と運動養生、水養生の実践によって健康回復や健康維持が可能になると考えます。

食の養生法の一つに「醗酵米ぬかサプリ」があります。
醗酵させた米糠に、酒粕の焙煎粉末と免疫草のステビアの焙煎粉末をブレンドした“醗酵米ぬかサプリ”は、食物繊維と豊富に含む発酵酵素食品としてお腹を整える働きをお手伝いします。


■外敵と闘う腸管免疫・・・
小腸の回腸から大腸は腸管免疫の中心となる部位です。
自然免疫に併せ、獲得免疫でつくられるイムノグロブリンの抗体のうち、IgAは腸管や粘膜表皮に接触する外用物質の進入を阻止したり、無毒化したり、外敵と戦ってくれます

腸の働きの項でもパイエル板と免疫システムをお話しましたが、腸の蠕動運動が活発になり、絨毛の周辺が整っていれば、IgA抗体がこのパイエル板でシッカリ作られ、粘膜組織にリンパ液として全身に送られます。

何しろ人体の抗体の60%が小腸で作られていますから、お腹を整える・・・は健康養生の始めの一歩と言えるのです。

腸を如何にして整えるか・・?
加齢と共に腸管をキレイにする事。積極的に整える必要があるのです。

その理由ですが、T細胞やB細胞などのリンパ球は年齢と共に減少しますが、腸管免疫は加齢によっても低下しないのです。
中年以降は常に腸内環境を整えておく必要があるのです。
その方法として、生菜食や野菜ジュースによる食物酵素を十分に補給することと、発酵食品を食べることなのです。


■免疫機能が低下する腸は、アレルギーにつながる炎症の可能性あり・・・
小腸の蠕動運動がイマイチ不活発で、消化が十分でない腸内環境では、栄養素が体内に取り込まれるとアレルギー発生の可能性が高まります。

栄養素は小腸の絨毛で吸収されますが、絨毛が炎症を起こすと腸管免疫が機能せず、本来吸収しないはずの分子サイズの大きいタンパク質などを体内に吸収します。
これがアレルギー症状につながるのです。

血液中に本来存在できないような異物が入ってくると、カラダは異物と判断して抗原抗体反応を起こします。
この抗体が過剰に惹き起こされることでアレルギー反応が発生します。

腸管免疫が低下し、慢性的に絨毛細胞が炎症を惹き起こすと花粉症やアレルギー性鼻炎に止まらず、膠原病や潰瘍性大腸炎、クローン病などの重篤な病を惹き起こす原因となります。

また血質が低下するため、様々な疾患の条件が整ことになります。解毒作用を担う肝機能の障害はもとより、心臓病や糖尿病のリスクが高まります。
食養生の視点からですが、過食、飽食、動物性食品の摂食量、生菜食の摂食量、抗酸化物質の摂食量などのバランスを欠いた食生活が、腸管免疫の低下を招いているのです。
(動物性食品への疑問は、「キャンベル博士の養生訓」をご覧ください。)

■免疫力アップに欠かせない睡眠・・・

腸を整えて免疫力をアップするためにも、良質の睡眠が欠かせません。日頃より体内時計のリズムを健康養生に役立つよう整える必要があります。
生体リズムよりお奨めの睡眠時間は7時間30分前後と言われています。
しかも午前0時を挟んでの睡眠が必要とされています。

午後8時には吸収と代謝の生体リズムがスタートし、午前4時くらいまで間に新生組織が作られます。
この時間帯は新しいエネルギーを産出し、古い細胞を排泄するのですが、このとき同時に細菌やウィルスなどを殺して、毒素や老廃物、疲労物質等と共に取り除く時間です。

つまり免疫力が増強される時間帯でもあるのです。この作業は良質の眠りがあってこそ、睡眠中に体内で作業が進むのです。
腸内で免疫物質のリンパ球が強化され、新生のガン細胞などが抑制されるのもこの時間帯なのです。

この時間帯は心身ともに静かな状態にあるように見えますが、体内では副交感神経がフルに働いて指示を送り、翌日の生体反応に必要な酵素を積極的に作り出しているのです。
腸管免疫は睡眠の質にも関係することが判りますね・・・。


加齢と共に睡眠が浅くなりますが、でもご安心ください・・・。
腸管免疫のパワーアップは、高齢になってからも可能なのです。
日没と共に眠り、日の出と共に起床するような生活にも、自然のリズムが「サーカディアン・リズム」として整っているのですから・・・。

腸内環境を整える「食養生」「運動養生」「水養生」を学び、実践することで、腸管免疫は高齢になっても得られるものなのです。

■参考図書
・人の健康は腸内細菌で決まる  光岡知足著/技術評価社
・健康長寿のための生活  光岡知足著/岩波アクティブ新書
・腸内革命、腸は第2の脳である  藤田紘一郎著/海竜社
・腸は考える  藤田恒夫著/岩波新書
・ 病気にならない・太らない、食べ方の習慣 済陽高穂著/だいわ文庫