腸内環境と脳の関連


■腸内細菌が生み出す酵素と“幸せ物質”・・・

腸内細菌の役割は、善玉菌を中心に腸内環境を整え、栄養吸収や免疫物質、体内に必要な酵素の産生、老廃物などの排泄などがあります。

近年これに加えて脳の中に存在する神経伝達物質で、“幸せ物質”なるものを作る工場が腸の中にある・・・と、東京医科歯科大学の名誉教授である藤田紘一郎博士が述べられています。

しかしながら腸内細菌の働きで“幸せ物質”を作り出す腸内フローラが、近年とみに減少傾向にある、、、とを嘆いておられるのです。


腸は第2の脳と形容されます。神経細胞の数が脊髄に匹敵するほど、腸管に張り巡らされているからです。
「脳は神経の網タイツを穿いている」と言われますが、腸は独自に消化・吸収の作業を判断しているのです。そして脳神経に欠かせな神経伝達物質の前駆物質を製造しているのです。


神経伝達物質の中でセロトニンとドーパミンは、気持ちを前向きに明るくしてくれる物質で、これを“幸せ物質”と呼ぶのだそうです。

“幸せ物質”と腸内細菌には深い関わりがあり、最近の研究では、腸内細菌の働きがないとセロトニンが脳内に増えないことが解りました。

現代人にうつ病や自殺者が増えている背景には、腸内細菌の減少が少なからず影響しているらしい・・・とも言われています。
幸せ物質の生成がままならない現代社会では、様々なマイナスの出来事が起こる世の中になってきたのではないか、と考えさせられます。

つまり腸内細菌の減少傾向から腸内環境が整わず、人々の心に不安や貧しさが忍び寄り、その心が世相の変化として社会行動に反映されているのではないか・・・と藤田博士は懸念されているのです。


■幸せ物質は腸で作られる・・・
脳の神経機能を働かせる物質を神経伝達物質といいます。
近年脳の研究は日進月歩ですが、幸福感をもたらす“幸せ物質”は、なんと“腸”と関係していることが判ってきたのです。

脳の中にある神経伝達物質は100種以上も存在するようですが、とくに幸福感を伝える脳神経伝達物質はセロトニンとドーパミンが代表格です。
2000年にはドーパミンが“幸せを記憶する物質”であるとして、カールソン博士がノーベル賞を受賞しています。

セロトニンは、逆境の時に幸せ感をもたらしてくれる物質で、落ち込んだ時などには欠かせない幸せ物質なのです。
ドーパミンとセロトニンは、ストレス社会に生きる現代人には欠かせない物質で、キレたり、抑えきれない過剰な怒りの感情などはセロトニン不足によってもたらされます。

よく眠れて快適な毎日の生活を楽しめる状態は、生理代謝のバランスが整っていると言えますが、こんな時は脳の神経伝達物質が有効に働いているのです。
前向きな気分にしてくれるセロトニンは、人生を豊かにしてくれる物質でもあるのです。


■セロトニンを増やす腸内細菌・・・
幸せ物質の代表的なセロトニンですが、腸の腸内細菌が殆どのセロトニンを製造しているのです。
つまり腸内細菌の働きが欠かせません。

セロトニンには必須アミノ酸のトリプトファンが不可欠ですが、トリプトファンを食品から取り入れても、セロトニンの前駆物質を作るには、この前駆体を作り出す腸内環境と酵素の働きが必要となります。

さらにその酵素は腸内細菌によって作られるのです。
つまりビフィズス菌など善玉菌とされる腸内細菌の十分な量が確保されていないと、セロトニンは産生されないことになるのです。

糞便の半分量は腸内細菌とその死骸ですから、糞便量でおおよその腸内細菌の様子を知る事が出来るようです。
現代の日本人は糞便量が一日に150g程度で、昔の半分以下なのだそうです。また食物繊維の摂取量も減少し平均12g程度で、これも同様に半分以下なのです。

これらの事実からも現代日本人の腸内細菌の数は減少傾向にあります。
その原因は食材選びや食習慣、運動の習慣にあります。

植物性食品を減らし、動物性食品を多量に摂り始めてからの変化であり、腸内細菌数の減少と共に糞便量も減少し、心臓病や糖尿病など生活習慣病の増加が顕在化したのです。

また食物繊維の摂食量の減少と共に、アレルギー疾患や喘息患者が増加し、さらにうつ病などの精神疾患が増えてきた・・・と藤田紘一郎博士は言われます。


■幸せ物質で腸安心・・・
腸内細菌が増加し充実すれば、セロトニンの前駆体が産生され、幸せ物質が脳に送られる事になるのです。

乳酸菌が腸に有益であることは様々な研究から確認されていますが、豚に乳酸菌のエサを与えた実験の結果が報告されています。
豚は人間に近い腸内細菌叢を形成するのだそうですが、豚に乳酸菌を投与し続けると病気がちの豚は健康になり、肉質の変化もさることながら、とても穏やかな気性の豚に変化するのだそうです。

通常脳には血液脳関門なる関所があり、ここから先は脳に必要なもの以外異物の進入は出来ません。
しかし腸内細菌が作ったセロトニンの前駆物質はこの関所を通過し、セロトニンとして働いてくれます。

セロトニンはトリプトファンが必須アミノ酸として必要ですが、合成には葉酸やビタミンB6など複合ビタミンB群が必要で、これらを腸内細菌が作ります。

結局ビフィズス菌などの善玉の菌と、日和見菌を味方に付ける腸内環境が整うことで、幸せ物質が作れるのですが、そこには食材選びと食養生が欠かせないわけです。
腸に良い食養生こそ、脳に良い養生となるのです。


■腸内細菌がビタミンを合成する・・・
人間の進化は“腸”にあるらしい・・・。
生物の進化から見ると、どうやら神経系が誕生したのは腸が先らしいのです。

脳でなく腸が神経系の魁で、脳を持たない生物が生息してその原型が腔腸動物なのだそうです。
難しいことは専門書に譲るとして、腸が脳より先に神経系の機能を有していたらしく、その機能が現代人にも腸内細菌の産生物が脳に働いていると考えられているのです。

2009年には、腸内細菌がストレス時にコルチコステロンと言うホルモンの分泌を抑えて、脳のストレスを減少している事が解明されました。

ストレスが過剰になると、腸内細菌が減少し、ビタミンの合成が減少します。
現代人は、ビタミン剤をサプリメントで補給する傾向にありますが、まず腸内環境を整えるために、乳酸菌の加工食品を摂り入れるプロバイオジェニックスや、オリゴ糖や食物繊維を摂り入れるプレバイオテックスが必要なのです。

この食習慣を取り戻す事が、結果的にビタミンを合成し脳の神経伝達物質を補給する事に役立つのです。


■腸と心の深い関係・・・
ストレスが加わると腸内細菌の数が減ります。
この事実は、ココロのダメージと腸は関連していることを物語っています。

緊張が高まることで日和見菌の立場は悪玉菌の働きに同調し、身体的ダメージとして症状が現れますが、ストレスの原因が改善されると、たちまち症状は回復するのです。

時には緊張性下痢として発症するのですが、ストレスで産生した酵素が大腸菌を増殖させて下痢を誘発させたり、腸内細菌のバランスが崩れて同時に免疫防御機能を低下させる事になります。

慢性的なストレス過多状態が続くと、心を司る脳の扁桃体や側坐核に影響を与え、心の病にまで発展することにもなりかねません。
脳と腸とは脊髄と自律神経を通じて、腸管粘膜に存在する神経細胞につながっています。
ストレスは脳の神経細胞にダメージを与えると同時に、腸管細胞壁の神経叢に反応するのです。
そしてその神経細胞の数は腸が最も多いのだそうです。

腸はココロの変化にもつながる臓器といえるのです。


■腸を元気にすれば脳も元気になる・・・

ボケの原因は脳か、それとも腸か・・・。
近年の研究で、腸の神経細胞の活動が低下すると脳の刺激が弱くなり、記憶力の低下やボケにつながると藤田紘一郎博士は説いておられます。

腸を元気にするコツは腸内のビフィズス菌を増やすことですが、その方法は一つに限ったものではありません。
セロトニンとドーパミンを増やすには、植物性食品や発酵食品を中心としたバランスの良い食事ととることや適度の運動、プロバイテックスやプレバイオテックスなどで腸内細菌が増える工夫を摂り入れることが欠かせません。

善玉の腸内細菌が増えると、これらの細菌から酵素群が産生され、神経伝達物質が合成される事になります。
この科学的な働きを見ても腸内細菌の重要性がうかがい知る事が出来ます。

つまり人間は、腸内細菌と共生しなければならない宿命にあると言っても過言ではないのです。微生物の進化の歴史は人間のそれとは比較にならず、ヒトは微生物の前にひざまずかねばならない低位の存在なのです。


■腸内環境を劇的に改善する・・・
製造特許出願中の“醗酵米ぬかサプリ”は、バイオジェニックスの考えの下に開発されました。
酒粕に含まれる麹菌や酵母、米糠などの食物繊維とステビアの焙煎粉末によって腸内細菌は増殖され、腸内環境の整備は数段アップされる事になります。

何より即効的に実感できるのは円滑な排便です。
スムーズな排便と便量が増えるところに天然素材のみを用いた「醗酵米ぬかサプリ”」の有効性を体感いただけます。

天然食品ですから子供から老人まで、安心安全の健康食品として毎日ご利用いただけます。

 

■参考図書
・人の健康は腸内細菌で決まる  光岡知足著/技術評価社
・健康長寿のための生活  光岡知足著/岩波アクティブ新書
・腸内革命、腸は第2の脳である  藤田紘一郎著/海竜社
・腸は考える  藤田恒夫著/岩波新書
・病気にならない、太らない・食べ方の習慣 済陽高穂著/だいわ文庫